前田紀貞の建築家ブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 前田紀貞建築塾(第十三期生) 設計演習コース:第二課題

<<   作成日時 : 2016/04/21 13:35   >>

かわいい ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

画像















先日、前田紀貞建築塾(第十三期生)の「設計演習コース」の第2課題の発表がありました。
第2課題は「自然のルールを使ったアーティストインレジデンス」です。


建築の意匠設計では、往々にして「個人のデザイン能力」が建築計画の質を決定している、と思われることが多いものです。でも、私たちの建築塾では、この「個人の能力によって決定されるデザイン」にちょっとだけ異議申し立てをしてみます。

もう少し正確に言えば、建築塾ではそうした「個人の能力」によって建築が創造されている事実を否定することはしないにせよ、でも「(創作には)それだけではない“他の方法“もあるもの」と模索します。

個人のデザイン能力というのは「私が律するもの」なので「自律」の創り方と呼ばれます。神が世界を創るようなやりかたです。一方、それとペアになる創り方もありまして、それが「他律」の創作法と呼ばれます。いわば、自然に生成してくるような創り方、自分が決めることをしないのに、あるシステムやルールに乗って自ずと自分以外の何物かが創り出してくれるようなもの。
こうした視点から、この課題は「自然のルールを用いた」となる訳です。

ちなみに建築塾では、第1課題、第2課題ともに設計をする際、この「他律の方法」なるものを習得してもらうことをカリキュラムの要にしています。
第2課題は文字通り「自然のルールを使った」、とありますから、何かしらの自然界のなかにある摂理を調査し、その摂理の底にある「ルール」を建築の空間が生成する「ルール」として適用するようにします。片方は自然、片方は建築という異なるものですが、敢えて、そうした遠いものの間に関係を付けてみようとします。遠いものの間にある関係を発見できた時、そこにはとてつもなく新しい世界観が産まれるであろう、と私たちは予想します。

言い換えれば、「自然を支えているルール」をそのままそれを「建築」へ適用して、建築(の秩序)を創り挙げてみる、ということです。
今回は、そのなかから秀でた作品について紹介します。


■松原元美:ペンローズパターン
画像

















「ペンローズパターン」とは、科学者のロジャー=ペンローズが見いだした2種類の菱形による平面充填のパターンです。それはただのパズル遊びではなく、
・1次元でのフィボナッチ数列(黄金比)
・2次元でのペンローズパターン
・3次元での準結晶構造
というふうに、それぞれの次元にとてつもなく重要な自然の摂理の基になる仕組みが隠されています。

建築でこの「ペンローズパターン」が使用されることは時々ありますが、それらはいずれも平面的なパターンをそのまま使う以上のものではありません。でもこの松原案の場合、そこにオブテューズとアキュートと呼ばれる菱形平行六面体を使用することでただのパターン以上の空間へ昇華させています。

画像

画像

画像





























■角張渉:音からカタチへ:クラドニ図形
クラドニ図形とは、物体の固有振動の節を可視化する方法で、例えばガラスプレートの上に塩を置き、そこに音の振動を伝えると周波数によって異なった秩序ある文様が現われてくる、その図形のことをいいます。

画像














敷地(海岸線)には様々な音が散在していますが、角張はそれらの音を敷地で録音してたものでクラドニ図形を作成しました。使用した音の周波数(重心の位置で代表)は、波が砕けた時の音=370Hz、風の音=404Hz、ランニングする人の足音=592Hz、江ノ電の踏切の音=735Hzとして採取されました。ここで、どのような周波数の音がそれぞれどのくらいの強さで分布しているのかを示すスペクトグラムを用いひとつのプレートに凹凸をつけることで、純音を示しいていたクラドニ図形に、現実の音が持つ周波数の特徴を溶け込ませようとします。

画像

画像

画像




























■菊池隆宏:サビの進行
敷地に置かれた鉄板にサビを発生繁殖させてゆきます。

画像
















ここから内と外に分割された平面形を導きます。サビの進行時間によって2種類のパターンを選択し、それを1階と2階の平面形に適用します。

画像



















サビの繁殖のパターンが持つ「秩序」は「建築の秩序」へ翻訳されてゆきます。

画像

画像




















■長島和:植物の根の分岐

画像

画像


画像





























■平川智佳子:瑪瑙の模様の生成より

画像

画像





















■百武天:泡の関係
敷地形状をしたパレットに泡を発生させ、その段階ごとのフォルムを平面形に移行させる。

画像

画像

画像




























■國本真美子:イワシの群れ行動

画像

画像




















■協賛
大成建設設計本部、総合資格学院

■前田紀貞建築塾
http://maeda-atelier.com/SCHOOL/SCHOOL%20TOP.html

■建築家 前田紀貞

【前田紀貞アトリエ一級建築士事務所 HP】



月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
かわいい
前田紀貞建築塾(第十三期生) 設計演習コース:第二課題 前田紀貞の建築家ブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる